ピアノレッスンで、大人の生徒さんから質問を受けました。
「普段のレッスンで、練習している曲の暗譜は必要ですか」という質問です。
目次
大人初心者の方の「暗譜」はとくに必要ない
「暗譜はとくに必要ないですよ」大人の生徒さんに答えました。
普段のレッスンで、大人の初心者方の「暗譜」は、特に必要ないと考えています。
※あくまでも一講師の考えです。
暗譜された大人初心者生徒さん
「暗譜」について考えさせられた大人の生徒Aさん(退会)との思い出があります。
Aさんは、大人からピアノを習い始めた初心者の方でした。
「楽譜に目を戻す」ようにレッスンで声がけ
ピアノは、手元だけ見て弾くのではなく、楽譜を見ながら弾くのが良いとされています。
全く手元を見ないでピアノは弾けないので、チラッと見て楽譜に目を戻すのが一般的。
ただ、難しく感じていたAさんには「楽譜に目を戻す」ように、レッスンで声がけをしていました。
暗譜をされてきた日のレッスン
Aさんが暗譜をされてきた日のレッスンは、今でもはっきり憶えています。
楽譜を全く見ないで、まるまる1曲を暗譜されたAさん。最後まで手元だけを見続けての演奏でした。
レッスンでは、「楽譜に目を戻す事」を少しづつでも練習してきたので、複雑な気持ちに。
Aさんの頑張りはスゴイ、でも…
「音やリズムの間違いもあるし、どう伝えよう」
Aさんに伝えた事
Aさんには
- 普段のレッスンでは、とくに暗譜のこだわらなくてよいこと(自然にできちゃったのでしょうけど…)
- 楽譜を憶えても、楽譜を確認すること(楽譜を見ながら弾くこと)
- よく練習された事がわかること(頑張りはスゴイ!)
を伝えました。
その後のレッスン
その後のAさんのレッスンは、暗譜主体。
楽譜に目を戻すことも難しくなってしまいました。
「暗譜ではなく、楽譜を見ることもしましょう」と声がけしていたのですが、「暗譜でないと弾けません」と言われるように。
音やリズムにところどころ間違いがあり、その都度直してきましたが、間違ったまま直せないこともありました。
月2回のレッスンでしたし、間違えた音で弾き続けると癖となり、直すのに時間がかかります。
暗譜についての考え
Aさんとの一件は、大人初心者ピアノレッスンの「暗譜」について、考えるきっかけになりました。
「曲を憶えてしまっても、楽譜を見ながら練習する」事の大切さを改めて痛感したのです。
「なんとなく」憶えて暗譜すると、楽譜の音やリズムからかけ離れてしまう場合も多いです。
大人初心者の方の暗譜が特に必要ない理由
大人初心者の方が、普段のレッスンで、暗譜が特に必要ない理由をまとめます。
- 音やリズムを正しく覚えることが難しい
- ピアノを弾く際に手元だけを見続けてしまう癖がつきやすい
- 楽譜に目を戻す事ができないと、暗譜しないと曲が弾けなくなる可能性がある
「暗譜しないと弾けない」ということは、練習曲を全て暗譜。ちょっと辛いですね。
まとめ
生徒さんからの質問「普段のレッスンで、練習している曲の暗譜は必要ですか」について、「特に必要ない」という考えをお伝えしました。
「楽譜を憶えても、楽譜を見ながらピアノを弾いた方がよい」と思っています。
「暗譜」は決して悪い事ではありません。きちんと暗譜するのが簡単ではないのです。
まずは、楽譜を見ながらピアノを弾けるように、ご指導していきます。
あくまでも一講師の考えであることをご了承ください。