大人の方でピアノを再開された場合、「指が動かない。もっと弾けると思っていたのに…」と言われる方が多いです。
「指の動きをよくする教本」が数多くあるので、その方に合ったものをレッスンで使います。
本日のブログは、大人の生徒Aさんが使用している「指の動きをよくする教本」をご紹介します。
Aさんは、
- 高校生頃までピアノを習っていた
- 当教室入会前に1年程、職場近くのピアノ教室で習っていた
方です。
大人になって再開される方のレベルは、皆さん違いますので、参考程度にしていただけたら幸いです。
目次
「指の動きをよくする教本」は慎重に
「指の動きをよくする教本」は慎重に選びます。
大人の方がピアノを再開される場合は、現在のレベルよりちょっと易しい教本を選ぶこともあります。
ピアノを久しぶりに弾く方が「指の動きをよくする教本」で、いきなり指に負荷をかけるのはよくないからです。
大人の生徒Aさんの場合
大人の生徒Aさんは、当教室に入会前、別のピアノ教室で「ハノン」を使っていたそうです。
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全訳ハノンピアノ教本 全音ピアノライブラリーAさんのレッスンで「ハノン」か「おとなのハノン」、どちらかを使おうと考えていました。
「おとなのハノン」
慎重に進めるために、Aさんにとって易しい教本「おとなのハノン」(大岩佳子著)に決めました。
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おとなのハノン ~指の動きをよくするピアノ・トレーニング・ブック~「おとなのハノン」の特長
「おとなのハノン」の特長は、以下の通りです。
※「おとなのハノン」本書の特徴と使い方のページから抜粋してまとめました。
- 初心者用の「導入編」がある。片手ずつから始まっている。初心者の方には「導入編」をくり返すことを勧めている。
- 原書「ハノン」の「60の練習曲」から前半の抜粋、そしてスケール(音階)、アルペジオも易しくしている。
- 原書「ハノン」で、2オクターブの音型パターンの練習を1オクターブにしたり、スケール、アルペジオの音域を減らしている。読みやすくする為に、16分音符を8分音符に変更。
- 1曲ごとにリズムパターンがついている。
- 「ゆびあそび」というページが設けられて、5本の指を使うトレーニングができる。
- 音符を大きくしていて、見やすい。
- 注意をしてほしい指番号には○印がついている。
- 指ひろげ、指ちぢめ、指くぐり等、練習のポイントがわかるようにしている。
- 「おとなのハノン」の練習の仕方が書いてある。
「おとなのハノン」ゆびあそび
「ゆびあそび」は、5本の指を使ったいろいろなトレーニング(同音連打、音の保持、トリル、重音、オクターブ)ができるページです。
「ちょっと大変だな~弾きにくそう」と感じました。
本書にも「アクロバチックな遊び、という感覚で楽しみながら」と書いてあり、無理せず取り組めるものだけ練習するのも良いと思います。
「おとなのハノン」の使い方
「おとなのハノン」の使い方が具体的に書いてあるので、ご紹介します。
〇毎日の練習の一番最初に、手と指の筋肉をほぐすウォーミング・アップとして使って下さい。本書の後にメソード(教本)やエチュード(練習曲集)や曲集を練習して下さい。(この本にかける割合は全体の練習時間の1/4~1/3程度で充分です。
「おとなのハノン」本書の特長と使い方より
練習の最初に使うと指の動きもよくなるので、大人の生徒さんに伝えています。
○譜読み力アップさせたい時は、まず音名を声に出してくり返し読んだり、読みながら弾いてください。声に出して読むことで読譜が速くなってきます。
「おとなのハノン」本書の特長と使い方より
他に教本、曲集などに応用できますね。
○持久力をアップさせたい時は、1曲を数回ノン・ストップでくり返し弾いたり、数曲を止まらずにつなげて弾いて下さい。腕や指に痛みを感じたら無理せずやめて下さい。
「おとなのハノン」本書の特長と使い方より
大人再開ピアノで始めたばかりの方は、持久力については徐々に考えればよいと思います。
○正しい運指方法を理解し、身につけるために指番号は守りましょう。
○本書はくり返して何度も使うことができますが、さらにグレードアップを目指す方は専門書に移行して下さい。
「おとなのハノン」本書の特長と使い方より
運指を守って練習する事はすごく大事です。
「おとなのハノン」はくり返し練習したり、飛ばしたり、使う人に合わせて使います。
生徒さんの上達によっては「ハノン」へ進む方もいます。
まとめ
大人の方がピアノを再開された時に、指が動きにくいと感じる事があるでしょう。
私もピアノを一時中断した事があり、指が動かずショックを受けた経験があります。
大人の生徒Aさんも、ピアノを再開した時に「指が動かない」と感じたようです。
現在は「よく動く指」に戻っています。その方に合った教本を使う事で、指の動きもよくなってきます。
指を傷めてしまったら残念ですから、再開の始めは指に負荷がかかりすぎないように「適切な教本」を使う事が大事ですね。